契約恋愛~思い出に溺れて~
「……会いたくなって」
「昼間会ったじゃん」
「あの時は、二人きりじゃないでしょ」
「ああ」
そう言って、彼はマグカップの紅茶を一口飲む。
喉仏がピクリと動いて、妙に色気を感じてしまう。
「そういや、あんまり二人きりで会うことってないね。サユちゃんか達雄がいるもんな」
「そうよ。いつも誰かと一緒で」
「ん?」
「……一人占めできないんだもの」
出てくる言葉が子供みたいで、恥ずかしくなって下を向く。
「紗彩ちゃん?」
彼の唇が、私の名前を形作る。