契約恋愛~思い出に溺れて~


「結構遠いんだよ。今京都に住んでるんだ。だから、行くなら泊まりにしたいから、GWのどこかで行こうか」

「え?」

「母親に会いに。ついてきてくれるんでしょ」

「あ、うん」


私がパニックになっている間に、英治くんは自分で会話の軌道を戻したようだ。

おかしくなって笑うと、不思議そうな顔をして私の頬を触る。


「紗優ちゃんも、行きたがるよなぁ」

「そうね。GWじゃ」

「連れて行こうか」

「でも、邪魔でしょ。そんな大事な話に子供がいたら」

「邪魔ではないよ。ただ、見られたくない姿を見られちゃうかなぁと思うだけ」


私は彼の頬を指先でつついて、体を摺り寄せる。


「自分だって言ったくせに」

「なにが?」

「色んな英治くんを見せて」

「ああ、あの時の?」


泣いた私、意地張った私に、いつも彼が言ってくれる言葉。


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