契約恋愛~思い出に溺れて~

 翌日。

迎えに来てくれた英治くんの車に乗って、私と紗優はケーキ屋さんを目指した。

3人だからホールのケーキは余っちゃうけど、
どうしても丸い形のものでお祝いしたくて、
小さめのイチゴのホールケーキを買う。

スーパーで買い出しをして、そのまま英治くんの部屋に向かった。


「おじちゃんは、いくつになったの?」


紗優が、ロウソクを持ちながら首をひねる。


「38歳だよ」

「38……。どうしようのるかなぁ。ねぇママ、38本もロウソク無いよう!!」

「太いの3本買ったでしょう? 太いのは10歳分。細いのを8本ね」

「わかったー。でもいっぱいだぁ」


合わせて11本のロウソクをたてて、ケーキはハリネズミみたいになっている。

それに、鶏のから揚げとポテト。
それにジュースの、ささやかなパーティ。

部屋のカーテンを閉めて、ロウソクに火をつける。

紗優と一緒にハッピーバースデーの歌を歌って、英治くんにロウソクを吹き消してもらった。

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