契約恋愛~思い出に溺れて~
「おめでとう、おじちゃん!!」
紗優に満面の笑顔でそう言われて、英治くんは珍しく照れたような顔で微笑んだ。
「ありがとう、紗優ちゃん。紗彩ちゃん」
「サユ、おじちゃんの絵、かいてきたよ。プレゼント。前よりじょうずになったよ」
「……ありがとう、紗優ちゃん」
彼は、そのまま紗優を抱きしめた。
「きゃー」
嬉しそうな声をあげて、笑う紗優。
カーテンを開けると陽の光が差し込んで、彼と娘を優しく照らす。
「毎年、パーティしようね。これからは」
「ああ。紗彩ちゃんと紗優ちゃんのもね」
ちらりと見えた潤んだ瞳が、何だか切なくて。
私は、彼を抱きしめたいと思う衝動を抑えるのが大変だった。