契約恋愛~思い出に溺れて~
「でも、やっぱり傍に居て欲しかったかなって今は思う」
「どうして」
彼は目を細めて、私を見る。
弧を描いた唇が、私の額に落ちた。
「こんな風に嬉しいって思えるんなら」
「英治くん」
私は手を伸ばして、彼の頬を両手で包んだ。
「一緒に、育てて行けばいいわよ」
「何を?」
「英治くんが捨てて来ちゃった気持ち」
「……」
「私が育ててあげる」
彼は一度大きく振り向いて、居間にいる紗優を確認した。
紗優はテレビに夢中になっていて、こっちは気にもしていないようで。
次の瞬間、彼は私を強く抱きしめて、深いキスをした。