契約恋愛~思い出に溺れて~
「可愛いよね」
「うん?」
「いや、娘になるんだなぁって思って」
「そうね。突然お父さんになるのは嫌じゃないの?」
「嬉しいよ。まだ自分の子供ってなんか考えられないし。
紗優ちゃんが嫌がるんなら持たなくてもいいと思ってる」
「ホントに?」
「や。……わからないな。もしかしたらそのうち欲しくなるかも。家族が欲しくなったみたいに」
「なるべく早めに決めてね。私だって、もうすぐ33歳になっちゃうんだから」
「高齢出産?」
「それは35歳から。でも二人目は大丈夫だっていうけど」
「じゃあゆっくり悩んでも大丈夫じゃん」
二人で未来を語り合っていると、なんだか楽しい。
先に見えるのが、キラキラしたものばかりのような気がしてくる。
実際は、生活するって大変だって、
私はもう知っているはずなのに。