契約恋愛~思い出に溺れて~
窓から差し込む日差しの眩しさに自然に目が開いた。
ゆっくり体を起こすと、まだ眠そうな英治くんが小さくうめく。
一応、ちゃんと浴衣は着こんだけど、結局は英治くんのベッドで寝てしまった。
紗優より先に起きれて良かった。
立ち上がって窓辺によると、昨晩は星の海のように見えた景色が、すっかり都会の風景になっている。
それでも遠くに見えるお寺の姿に、ああここは京都だったと思い出された。
深呼吸をして、体を伸ばすと、紗優が寝がえりを打ち始めた。
「あれぇ。ママ」
寝ぼけた眼差しで、紗優は不思議そうに私を見る。
「おはよう。紗優」
「おはよう。あ、そうか。おとまりだったんだ」
「そうよ。よく寝れた?」
「んー。よくわかんない。おじちゃんは?」
「まだ寝てる」
笑ってベッドの英治くんを指差すと、紗優が近寄ってきて彼の頬をつつく。