契約恋愛~思い出に溺れて~
「わ、分かった」
「決まりね。じゃあ式はしよう。式場の希望とかある?」
「ううん。別に」
「じゃあ俺、ちょっと調べてみるよ」
そう言うなり、手帳を取り出してサラサラとメモをとっていく。
横目でそれを見ながら、自分の口元が緩んでいくのが分かった。
そうしているうちに、お父さんが戻ってくる。
こそこそと覗き見するような表情がおかしい。
「そろそろいいかい?」
「ああ。結婚式はするよ。日程決まったら連絡する。家族だけを呼ぶこじんまりとしたものにするつもり」
「もうそこまで決まったのか? お前、ちゃんと紗彩さんと話してるのか」
「してるよ。ねぇ?」
「う、うん。大丈夫です」
笑顔で答えると、お父さんは嬉しそうに笑った。