契約恋愛~思い出に溺れて~
数人の社員がキーボードを叩く音が響くオフィスで、プリントアウトした資料に目を通し、目の前で立つ青年に笑顔で頷く。
「はい。御苦労さま。じゃあ来週先方に持って行って確認しましょう」
「はい。お休みの日なのにありがとうございます」
今回の仕事も青柳くんが担当している。
前回の仕事で自信をつけた彼は、今回は最初からずっと精力的に頑張っている。
残業にも休日出勤にも、めげることがない。
それなのに、まとめ役であるこっちが疲れた顔をしている訳に行かない。
開発チームの面々が頭を下げて帰宅した後、戸締りをして会社を後にした。
時計を見るともう17時半だ。
まだ外は明るいものの、風が昼間よりも冷たくなり、夜の気配を感じさせる。