契約恋愛~思い出に溺れて~
次は私。
突き付けられた言葉に、返事をしなければならない。
紗優の変化に気づかなかった、なんていい訳だ。
本当は、何かがおかしいとは思っていた。
けれど、忙しさにかまけて、無意識に見ないようにしてきた。
やがて紗優が何も言わなくなったから、
もう大丈夫なんだと、勝手に結論づけただけ。
自分が楽なように。
紗優に我慢をさせながら、私は自分を優先させたんだ。
「……私」
情けなさに打ちのめされそうになるけど、
それさえもズルイような気がして、ただ口を閉ざした。
変な汗が出てくる。
どうしよう。どうしよう。
確かに、紗優の事を考えたら今の状態じゃ駄目だ。
だけど、私にだってプライドがある。
必死にやってきた自分の過去を、簡単に捨てることなんて出来ない。