契約恋愛~思い出に溺れて~
迷いの晴れた私に比べて、彼は少し曇った顔をしている。
「後悔しない?」
「しないわ。なによ、自分が言いだした癖に」
「サユが分かってくれそうだったからさ」
「うん、でも。確かに今の仕事量だと家の事が出来ないのは本当だもの。
だから仕事時間を減らすのは必要なんだと思う。紗優が小さいうちは特に。
でも出来れば両立したいの。やめたくはないのよ」
「うん」
「英治くんも協力してくれる?」
「当たり前だろ」
彼の手が私の頬に伸びてくる。
「サユは、強い子だな。
俺だったらどうかなって、ずっと考えてた。
もしかしたら、学童にはもう行かないっていうかなとか。
でもあの子は嫌だからって逃げ出そうって思う子じゃない。
ほんの少し支えてあげればいいだけなんだな」
「どうだろう。分からないわ。もしかしたら悩んでるかも知れないし。
毎日話を聞いてみようって思ってる。今までの分も。
そうしたら、紗優の気持ち分かるようになるかもしれない」
「うん」