契約恋愛~思い出に溺れて~
どうして人は後悔するんだろう。
どんな風に生きても、全てを満足することなんてきっとないんだ。
その時最良だと思うことを選んできたつもりでも、
後から見ればもっといい手段があったなんてことはいくらでもある。
「ママ」
紗優がキュッと手を握る。
可愛い小さな手。
この子は、どんな風に生きるんだろう。
これから先、喜びも悲しみもたくさん訪れる人生を、どう生きていくんだろう。
「なんか、お父さんに会いたいねぇ」
「うん。そうだね」
胸にぽっかり隙間があいて、何だか寂しいと思う時に、会いたいと思える人がいる。
それがお互いだけじゃ無くなったという事は、私にとっても紗優にとっても、きっと幸せなことだ。
英治くんに会いたい。
今の気持ちを話したい。
そうして三人で分け合えば、二人の時よりずっと早くその隙間は埋まって行く。