契約恋愛~思い出に溺れて~


「会いに行こうか。電話して」

「うん!」


以前なら絶対、ためらっていただろう。
私は元々、当日に予定を変更したりするのは苦手だから。

彼と出会って、変われた自分がいる。
自分の感情に素直に、できるだけ後悔しないように動けるようになった。

人っていくつになっても変われるんだ。


五コール目でつながる電話。

彼の声に気分が高揚する。


『紗彩?』

「うん。英治くん、今何してる?」

『家でごろごろしてる。マンションの契約書とか見てた』

「私たち、今ユウの家を出たところなの」

『ああ。どうだった?』


声色が変わる。
心配してくれてるのが分かって、嬉しくなる。

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