契約恋愛~思い出に溺れて~
「ちゃんと呼んで」
「また今度ね。今酔ってるでしょ」
「酔ってないよ。だってもう送って行かなくてもいいんだから、飲んでもいいだろ?」
「いい、けど」
「我慢もしなくていいだろ」
「ちょっと、英……」
筋張った掌が、私の顎を持ち上げて、
ビールの香りがする唇が、私の唇を塞ぐ。
そのまま、指先が耳をさするように動く。
どこか官能的な動きに、お腹の当たりが熱くなったような気がする。
「んっ」
「紗彩」
彼の手が私の指先をつかまえて、口元まで持ってくる。
それまで口内を弄んでいた舌が、手にうつり、関節の形をなぞるように舐めながら、私の反応をうかがっている。