契約恋愛~思い出に溺れて~
そのままお手洗いに行き戻る途中、カウンターで英治くんと話している達雄と目があった。
彼と会うのは随分久し振りだ。
何だかやつれたような感じがして、心配になる。
「紗彩、おめでとう」
「ありがとう、次はあなたね」
「……はは」
達雄は苦笑すると、ビールを口に含んだ。
彼がこんな笑い方をするのは気まずい時だ。
大方綾乃ちゃんとは上手くいってないのに違いない。
「まだ迎えに行ってないんだと」
困ったように英治くんが説明する。
「どうして?」
私は達雄の隣に座った。