契約恋愛~思い出に溺れて~


 達雄のシルバーの車が片側2車線の道路に路上駐車されている。
私は素早くドアをあけ、助手席に滑り込んだ。

彼は一瞬視線をこちらに向け、「お疲れ」と呟いた後、車を走らせた。


「どこに行く?」

「いつものとこ行こうか」

「うん」


背もたれに体を預けると、どっと疲れが出てくる。


「忙しそうだな」

「そうね。初めて顧客の担当になった子が居るから。慣れるまではどうしてもね」

「紗彩って仕事の話してる時はかっこいいよな」

「あら。褒めてるの?」

「褒めてる。できる女って感じだ。
少し寝ててもいいよ。ついたら起こすよ」

「ありがと」


お言葉に甘えて、ゆっくり目をつぶる。
車の揺れが気持ちいい。

仕事中の緊張から解きほぐされ、無心になって眠りについた。

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