敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】
本当はすぐにでも、一番に
伝えないといけなかったこと。



遅くなって―――ゴメン。



「あのね、柊弥。

あたし………三ヶ月なんだって」



あたしもまっすぐに柊弥を
見て――できるだけ
落ち着いた声を保って、
ゆっくりと告げた。



柊弥は何も答えない。


というか、言葉が出ない
みたいだった。



今まで見たこともないような
ア然とした顔で……本当に
ポカンと口を開けて、
あたしを見てる。



だけどやがて、その口が
カクンと閉じて。



そして次の瞬間漏れたのは、
情けないくらいに裏返ってる
声だった。


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