藍色の城



『ありがとうございます。なんか、
すみません。わざわざ。』



ペコペコ頭を下げる私に
通行人は怪訝な顔で見てる。



頭をかいてはにかむ顔が
また私の心を奪う。


『あの、もしよければこの後少し
お時間いただけますか?』



『え…?』



『ご飯でも…どうですか?』



え──────!!!!!!!! 



驚きすぎて口パクパクしちゃうし
『お願いします!!』なんて
頭下げられたら断る理由なんて
見つからなかった。



『じゃあ私…中華が食べたいです。』



私からは有り得ないセリフ。



他の人じゃ絶対言わないセリフ。






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