藍色の城
そういえば、この合い鍵。
もらったはいいけど、
一度も使ったことないな。
ギュッと握りしめる。
セックスはしたくないけど、
きっと帰ってきた時に
彼女が居たら、陽は喜ぶかな。
酔った陽を介抱してあげるのも
悪くはない。
二日酔いの陽に
消化のいいものを作ってあげようか。
そう思いたって足は自然と
陽のマンションへと向かっていた。
少し雰囲気変えてあげないと、
マンネリしちゃうよね。
外はもう薄暗く、
最寄り駅に着くと、スーパーに
寄って明日の食材を買う。
『咲妃、すげー嬉しい!』って
満面の笑みで抱きしめてくれる
陽を想像して、早足になる。