藍色の城
次の角を曲がれば、すぐに
入り口がある。
陽の部屋を見上げるとまだ
明かりは付いてない。
ニッコリ笑って曲がろうとした時。
『キャハハハ!谷原くん面白すぎ!』
やたらテンションの高い女の声が響く。
とっさに足は止まる。
『おい、里中!お前酔いすぎ。
加減して飲めよな。』
『いーじゃん谷原くん家で飲み直そう!』
明らかに女は陽に抱きかかえられてて
足がフラついてる。
『バカ。飲み直すか!ていうか何で
家わかんねーんだよ。送れないだろ。』
『じゃあホテルでも行く?』
『は?ふざけんな!』
『私はいいよ?谷原くんなら。』