藍色の城



『ハァ……お前なぁ。』



頭を抱えて俯いた時だった。



その女の唇は、陽の唇と重なって
やがて深くなって
舌が絡み合ってるのがわかる。



酔ってるとはいえ、ズルイよ…。



さっきまで否定してたじゃん…。



なのに何で…陽の方が



押し倒すようにキスに応えてんの…?



バサッとその場に買い物袋を
落としてしまった。



ハッと2人の視線が私に向けられる。



これで一気に酔いも醒めたでしょ。



『咲妃…!?ち、違うんだ…!!』



言い訳を始める陽の前で
ポロポロこぼれ落ちる涙の雫。
近寄る陽に、思いきり
ビンタする私。





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