彼女の友達 友達の彼氏
「…。」

どうしよう。

何も言えないよ…

和哉も心配そうに私を見つめる。

すると突然舞が…

「でも、昨日大樹私とデートしてたのに、いきなりいなくなっちゃったんだから!!ひどいでしょ?」

「ごめんな!ホントに…」

「もしかして…女?」

「んなわけねーだろ!」

こんな痴話喧嘩の内容も私の耳には入ってこない。

耐えきれなくなった私は

「ごめん。少し体調悪いから…保健室行ってくる。」

と言い教室を出て、屋上に向かった。

誰もいない屋上で一人になった私の目からは

涙が溢れてくる。

何で、舞は大樹を選んだんだろう

何で、大樹は舞を選んだんだろう


そして1番に。

何で、友達の彼氏を好きになってしまったんだろう

考えれば考えるほど大樹の顔が頭いっぱいに浮かんでくる。


もう…諦めるしかない。

二人の仲を引き裂くわけにはいかないんだ。

大樹を思って泣くのは今日で最後にしなくちゃ。

泣いて目がパンパンになった私は教室にも帰れず…

家に帰ることにした。

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