バニラ
胸の中がザワザワしてる。

変な気持ちだと、あたしは思った。

彼氏からの電話に出て追い払ってくれたからって、何をやっているのだろう?

何でこんな気持ちになるのだろう?

「じゃ、そろそろここを出るか。

時間は1時か」

ベッドから降りようとする恭吾の手をあたしはつかんだ。

「――理彩?」

つかんだその手が震えている。

恭吾にバレているって言うくらいに、伝わっちゃってるよね。

でも、恭吾と何もないままで終わりたくなんかない。

「――抱いてください…」
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