バニラ
目を開けると、恭吾と目があった。

彼はまだ眼鏡をかけていなかった。

恭吾の漆黒の瞳が、あたしを映し出している。

「今、何時?」

あたしは眠い目をこすりながら、恭吾に聞いた。

「夜の1時をようやく過ぎたとこ」

心地よいテナーボイスがあたしの耳をくすぐった。

恭吾の声がすごく好きだ。

匂いも、体温も、存在も、恭吾の全てがあたしは好きだ。

それが全部あたしのものなんだと思うと、嬉しくて仕方がない。
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