バニラ
理彩は何も言えないと言うように目を伏せた後、キッチンへ足を向かわせた。

俺はそんな彼女の後をついて行く。

「何か食べる?

お腹すいたでしょ?」

「いいや、いい」

そう返事をした後、俺は後ろから彼女の腰を引き寄せた。

「きょ…」

いきなりのことに戸惑う理彩が、かわいい。

理彩の唇に、軽く自分の唇を重ねる。

「それよりも俺は理彩が食べたいんだけど、いい?」

そう言った俺に、理彩が顔を紅くした。
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