バニラ
「――んっ…!」

恭吾に唇を奪われた。

「――んっ…」

恭吾の舌があたしの口の中に入る。

ウイスキーとチョコレートの味がする舌に、あたしは頭がおかしくなりそうだった。

恭吾の手が服の中に入ってきた。

「――やあっ…!」

胸の先が指に触れた瞬間、あたしは思わず唇を離した。

「今日は少し、激しく愛してあげるから」

耳元で、恭吾にささやかれた。


恭吾の肩にもたれかかり、あたしは荒い吐息を繰り返した。

言葉通り激しく愛されて、躰はクタクタだ。

恭吾はと言うと、チョコレートの銀紙を外していた。
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