バニラ
「何、欲しいの?」

あたしの視線に気づいたのか、恭吾が聞いてきた。

その問いに、あたしは首を横に振って答えた。

一瞬チョコレートを自分の口に入れようとした恭吾だけど、何を思ったのかニヤリと笑った。

「――えっ、何…!?」

チョコレートが、あたしの敏感なところに触れる。

「――やあっ…ダメ…」

恭吾の指があたしの敏感なところを刺激する。

チョコレートがそこで溶けて行くのが、自分でもよくわかった。

「――理彩、いいんだろ?」

そう聞いてきた恭吾に
「――やっ、ダメ…」

震える躰に逆らうことができない。
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