バニラ
呆れたように言う恭吾と信じられないと言う顔をする彼女に、あたしは2人を見比べるように首をキョロキョロと動かすことしかできなかった。

「チョコレートだって、あげたし」

「ああ、昨日のヤツ?

あれ、食事につきあったお礼かと思ってた」

ワナワナと震える彼女が、あたしに視線を向けてきた。

思わぬところで彼女と目があってしまったあたしは戸惑った。

「ねえ!」

彼女に怒鳴るように言われた。

「主任とは、遊びでつきあってるの!?

遊びでつきあってるんだったら、さっさと別れてよ!

あんたみたいな若いヤツに、主任は渡さないんだから!」

「勝手なこと言わないでよっ!」

カッとなって、今度はあたしのが彼女に向かって怒鳴っていた。
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