そして天使は闇へ堕ちる
☆ ☆ ☆

風が気持ちいい。それに花のいい香り

「ここ……は……?」

風に肌を優しく撫でられ、リュリュカは目を覚ました

身体を起こすと、そこはシェゾの部屋ではなく外にいた

ここは確か城の庭

リュリュカが悪魔に襲われた場所だ

「シェゾ様が私をここに?」

訳のわからないリュリュカは辺りを見渡し、今の状況を飲み込もうとした

『殿下ー!』

遠くの方で子どもの叫ぶ声が聞こえる

殿下?

誰のことだろうと思い、声のする方へリュリュカは歩き出した

ふと、リュリュカは城に違和感を覚えた

「なんか、雰囲気が違う気が……」

少しばかり新しく見え城と、美しく咲き誇る花のある庭

なにかおかしい。そう思うと手に汗がにじむ

「あ」

歩き続けていると、声の主と思われる青い髪の少年が木の前に立っていた

『殿下!やっと見つけた』

疲れたように木を見上げ、誰かと話しているようだった

『またそんなとこに隠れて。王子として自覚をもてよ!』

『俺は第六王子だぞ。自覚を持ったところでなにかあるのか?』

どさり、と、木から青い髪の少年と年の変わらない少年が降りてきた

漆黒の瞳に漆黒の髪。あれは……

「嘘……。まさか魔王?」

信じられないが、似ている

一瞬シェゾかと思ったが、雰囲気が全然違う

あの目付きは確かに魔王だ



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