秘密の花園
チーン
エレベーターの到着音が虚しいほど響く…
「…」
あたし達は無言のままエレベーターに乗った…

「あのさ?アンタ…名前は?」
「あ・・・あたし!?」
「アンタしかいねぇーだろ?」
いきなり問われたので一瞬躊躇した…
此処で答えたら悪用とか?
いやぁぁぁぁあぁあ!
「言わない」
「義務だし」
「はぁ?」
「薔薇学園の生徒である義務だ」
「生徒?はん…そんなのになった覚えないよ?」
あたしは咄嗟に…いやむかついた反動に変な言い訳をした。
惨めで恥ずかしい―――――!!!
「制服…着てるだろ?」
ギク

そうだけどー…
「これは…お母さんが…」
「馬鹿…ありえねぇーって…拒否らないかぎり着るだろ?」
「む…」
「って事で・・・名前」
「望月…冥李…15歳」
イライラするけど…
何か…温かい…

「俺様は五月女 月歌(サオトメ ゲッカ)」
「女の子みたい…」
「昔からそんなの言われる・・・いまじゃ当たり前だけど♪」
「本当は嫌なんでしょ?」
「ま・・・まーな」

長い沈黙…

「それにしてもマダつかねぇーの?」
「…遅いよね…って…ボタン…行き先のボタン押してないし!」
「ぶっ…」
「はぁ…」
「ぶあああっは!」
「吹くなよ!汚い!」
アタシも笑いたかったけど…月歌の笑い声を見ると、微笑むしかなかった…


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