秘密な彼氏
「あやめ…は?」

何で彼女がここにいるんだ?

美里はニッと歯を見せて笑うと、
「あやめなら、出て行ったよ?」
と、言った。

美里は隆志の頬に手を伸ばすと、
「北川さん、私とつきあわない?」

そう言った美里の手を、隆志は振り払った。

そんな彼に、美里が驚いたと言うように目を見開いた。

「悪いけど断る」

それから辺りを見回しながら、
「あやめ、いるんだろ!」

私を探す隆志の声に、私はベランダから顔を出した。
< 66 / 170 >

この作品をシェア

pagetop