秘密な彼氏
「いた!」

隆志が私を見つけた瞬間、駆け寄ってきて抱きしめた。

「…何、で?」

問いかけた私に、
「あやめが俺にウソつくなんて、100万年早いんだよ」

隆志がそう言って、さらに強く抱きしめてきた。

く、苦しい…。

助けを求めるために美里に視線を向けると、彼女は呆れた顔をしていた。

目が“大変ね”と言っている。

はい、大変です…じゃなくて!

「おっと」

隆志が私たちの間に壁を作った。

「目だけの内緒話はさせないからな」

えっ、じゃあ何を使って話せばいいの?
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