Foolish boyfriend~5年前の約束~

そういえば、文化祭とか体育祭とか、一応参加はしてたけど、あまり楽しそうには見えなかった。

クラスの子の中にも達哉を怖がってる子はいるから、行事とか、協力しなきゃならないことが好きじゃないのかもしれない。


もし仮に好きだったとしても、達哉がクラスメートと協力なんて、出来るわけない。

きっとクラスの子が嫌がるはず。


「いや、別に嫌いじゃないけど、好きでもないかな」


「文化祭とか体育祭とか、学校の行事は?」


「嫌いじゃないよ。でも俺あんまりクラスのやつらと仲良くないし、正直楽しくはねぇなー」


やっぱり、楽しくないんだ。


そうだよね。達哉はあたしのことで色々悪いイメージがついてるし、みんな近寄りがたいはず。


「…体育祭は見に行こうかな」


「は?いいよ、俺当日休むつもりだし」


去年はちゃんと出てたのに。

達哉、運動神経いいのになぁ。もったいない。好きじゃないことは全然頑張らないもんね。


「ダメやって。あたし達哉が頑張ってるところ見たいもん。体育祭いつあるん?」


「……教えねぇ。」


ダメだ。ほんとに出ない気でいる。


「教えてくれんのやったら向井君に聞くもん」


「それはもっとダメ。」



繋いでいる手の力が、少しだけ強まった。

嫉妬しているんだとすぐに分かった。


もうこの話はやめようと、別の話題を考えていたとき


「お前ほんまにしばいたろか!?」


「その言葉そっくりそのままあんたに返したるわ!」

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