銀杏
「父と私の似た部分を見つけては嬉しそうだったと聞きました。」
零れ落ちた頬の涙を拭い、微笑む。
「そう。じゃあ、雪乃さんはお父様のこととても愛していたのね。」
おばさんは優しく微笑んでお茶を口に運んだ。
一口飲んで、何かに気づいたようにパッと咲の顔を見る。
「咲さん、貴女今いくつ?」
「?…15です。三月で16になります。」
おばさんは急に考え込むように頬に手を当てた。
「雪乃さんが辞めたのは16年前の夏よ。じゃあ、その時にはお腹の中に咲さんがいたってこと?だから辞めたのかしら。でもそれなら何で言わなかったのかしら。おめでたいことなのに。」
「結婚もしてないのに妊娠したなんて、言い難かったんじゃないの?」
北条さんが言った。