銀杏
「ほら、見て。
色とりどりの花が咲き乱れて綺麗でしょ?
こんな風に咲いた花を見るだけで幸せな気分になるでしょう?
だから『咲』と名付けたの。
咲がそこにいるだけで、周りの人が幸せな気持ちになるように。
人を幸せにするにはね、まず自分が幸せにならなきゃいけないの。
自分を犠牲にしてたんではどちらも不幸よ。
本気で…本音でぶつかりなさい。
正直に素直な心で誠意を持って伝えればいい。
わかった?」
気がつくといつ渡ったのか、お母さんは向こう側にいる。
「あれ?いつ渡ったの?待ってて。すぐそっちに行くから。」
「ダメよ。あなたは渡れない。だって流れがこんなに激しいもの。」
いつの間にか川幅は大きくなって、お花畑も遠くなってる。
「待って!行かないで!!私もすぐそっちに…」
「あなたには大切な人がたくさんいるでしょう?」
少しずつ遠くになってるのは気のせいじゃない。
だんだん小さくなるお母さん。