四竜帝の大陸【青の大陸編】
私は部屋を観察した。
昨夜は薄暗くて、見えてなかったから。

「なんかけっこう豪華だったみたい!」

旅行雑誌でみた、ヨーロッパの古城を改装したホテルみたいな部屋だった。
猫足の家具がなんともメルヘン。
暖炉まである。
ファブリックは全体的に、緑系のカラーで統一されてる。
品があり、暖かみも感じられる素敵な部屋だった。
テラスに向かって右に扉を発見し、早速確認!
 
「やった。良かった」

洗面所だよね、ここ。
かなり広い。
おお、あそこにあるのは洋式便座! 
きゃー、猫足バスタブじゃありませんか!? 

「ハクちゃん、ハクちゃん! ちょっと来て」

ぱっと見は素敵だったけど。
なんか違和感を感じて、ハクちゃんに聞くことにした。
だって、どことなく私の世界の洗面所と違うんだよね。

「このトイレ、どうやって使うの?」

便座事体は蓋が無いだけで、同じっぽい。
壁から1メートルは軽く離れてて……タンクが見あたらない。
水洗じゃないの? 
しかも便座の横には、洒落たサイドチェストがある。
3つある引き出しの1段目は、桃色の紙が入っていた。
2段目も紙。
これはクリーム色だった。
3段目もやっぱり紙で……水色。

「まさか……この硬い紙がトイレットペーパー?」

いや、硬すぎるよね。
お尻が痛いって、絶対!
私はトイレットペーパーはソフト・ダブル派なのです。

「りこ。なあ、ここはどういった用途に使う場所だ?我は初めて見たのだが」

なんですってぇえええ~!
ハクちゃん、トイレを知らないのっ!?

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