四竜帝の大陸【青の大陸編】
カイユさんは姿見の前に私を立たせ、ドレスを当ててくれた。
竜族の式典用ドレスは私の知るダンス衣装とは全く違って、肌の露出が一切ないデザインだった。
普段も既婚の竜族の女性は、肌を出さない衣装しか着ないからこれは納得だった。
指は出てるけど、手袋は男女ともしない。
つがいと触れ合い、繋がる場所だから……。
男性の衣装は意外なものだった。
カイユさんが好んで着ているアオザイ風の衣装が、竜族男性の正装だったのだ。
TPOに合わせて無地だったり柄物だったり、派手な刺繍や細工物が付いたりする。
ある意味、竜族にとってはスーツ的伝統衣装ってことなのかな?
だから竜帝さんが、いつもアオザイ風衣装を着ていたわけで……。
ちなみに。
近年、竜族男性の間では普段着には、シャツにパンツといったラフなものが好まれている。
アオザイ風の衣装は冠婚葬祭のみって人も、多いらしい。
カイユさんは動きやすい(蹴りやすいから?)という理由で、以前から好んで着ているのだと教えてくれた。
「大丈夫ですよ、トリィ様。昨日より踊れるようになりましたし、ドレスで足捌きなど見えないのですから……ああ、貴女にこのドレスを着せることができるなんて……」
水色の目をゆっくりとカイユさんは閉じた。
何かに耐えるように、銀色の睫毛が揺れた。
「ダルフェが……父様は貴女が生まれる前から、<花鎖>の舞踏用衣装を準備していたのよ? とっても似合う……私達の自慢の娘だわ。ジリが大きくなったら着るのも、もちろんあるの。ジリギエ、ヴェルヴァイド様は姉様を妻に出来て、幸せ者よね? 貴方も姉様みたいな、可愛いお嬢さんを見つけなさいね」
父様……母様。
カイユさんは多分、もう元には戻れないだろうと……竜帝さんが言っていた。
竜族の式典用ドレスは私の知るダンス衣装とは全く違って、肌の露出が一切ないデザインだった。
普段も既婚の竜族の女性は、肌を出さない衣装しか着ないからこれは納得だった。
指は出てるけど、手袋は男女ともしない。
つがいと触れ合い、繋がる場所だから……。
男性の衣装は意外なものだった。
カイユさんが好んで着ているアオザイ風の衣装が、竜族男性の正装だったのだ。
TPOに合わせて無地だったり柄物だったり、派手な刺繍や細工物が付いたりする。
ある意味、竜族にとってはスーツ的伝統衣装ってことなのかな?
だから竜帝さんが、いつもアオザイ風衣装を着ていたわけで……。
ちなみに。
近年、竜族男性の間では普段着には、シャツにパンツといったラフなものが好まれている。
アオザイ風の衣装は冠婚葬祭のみって人も、多いらしい。
カイユさんは動きやすい(蹴りやすいから?)という理由で、以前から好んで着ているのだと教えてくれた。
「大丈夫ですよ、トリィ様。昨日より踊れるようになりましたし、ドレスで足捌きなど見えないのですから……ああ、貴女にこのドレスを着せることができるなんて……」
水色の目をゆっくりとカイユさんは閉じた。
何かに耐えるように、銀色の睫毛が揺れた。
「ダルフェが……父様は貴女が生まれる前から、<花鎖>の舞踏用衣装を準備していたのよ? とっても似合う……私達の自慢の娘だわ。ジリが大きくなったら着るのも、もちろんあるの。ジリギエ、ヴェルヴァイド様は姉様を妻に出来て、幸せ者よね? 貴方も姉様みたいな、可愛いお嬢さんを見つけなさいね」
父様……母様。
カイユさんは多分、もう元には戻れないだろうと……竜帝さんが言っていた。