四竜帝の大陸【青の大陸編】
ハクちゃんはカイユさんを私の【母親】として、黒の大陸に同行させると四竜帝に宣言した。
カイユさんは自他共に、この世界での私……トリィの‘母様‘になったのだ。

それは本当に正しいことなんだろうか、きちんと専門治療を受けさせてあげるべきなんじゃ……。

「かかっ……ねね、キキュゥィイ!」

高く響く楽器のような明るい声が、私のそれた思考を引き戻してくれた。
カイユさんの右肩にいたジリギエ君が、ダルフェさん譲りの緑の目をくるりと回しながら弾んだ声で鳴いた。

【かか】……これは‘かかさま’のこと。
ダルフェさんは【とと】で、私は【ねね】。

ハクちゃんは……悲しいことに、いまだに無し。
ハクちゃんもジリ君を幼生って呼んで、名前を使わないからお互い様なのかなぁ~。
2人の仲って、未だに微妙で……。

「さあ、着替えましょうね? 私もここで、着替えさせていただきます。あぁ、髪も結わなくては……どれにしようかしら? ああ、私としたことが! もう、時間ぎりぎりですっ」

カイユさんはいくつかの髪留めを見比べ、さっと1つを選んだ。

「これにしましょう! さあ、急ぎますよ!?」
「はい、カイユ! 着付け、よろしくお願いします」



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