四竜帝の大陸【青の大陸編】
私とハクちゃん、竜帝さんはソファーに座った。
セレスティスさんは扉の横に立った。
一緒に座って欲しいとお願いしたけれど、彼は微笑むだけで頷かなかった。
「気にすんな、おちび。ヴェルは蜜月期続行中……普通の竜族なら、雌を他の雄に見せることすら拒む期間なんだ。じじいなりに、人間のおちびに合わせてるんだ……この点じゃ、ヴェルは凄ぇよ」
向かいに座った女神様の言葉に、私は口を噤むしかなかった。
また、失敗してしまった。
穏やかな‘普通の生活’は、ハクちゃんが私の為にいろいろ抑えて……我慢してくれて成り立っている。
ハクちゃんは隣に座った私の左手にしっかりと指を絡め、握っていた。
こうしていないと……私とどこかが触れ合い、繋がっていないと蜜月期の雄の本能に引きずられて他人を傷つけてしまうから。
私は繋がった手の上に、右手も置いた。
「ハクちゃん。ありがとう……」
‘ごめんなさい’じゃない。
ありがとうなの。
感謝でいっぱいだから。
私は貴方に‘ありがとう’って言うの。
「りこ」
「……んっ」
色素の薄い唇が降りてきて、私の唇と重なって……ゆっくりと離れた。
「う……まあ、仕方ねぇな。じじいがそれで大人しくなってくれんだから」
女神様は両手で顔を押さえ……隠していた。
竜族は人前で手や髪にキスすることはあっても、口にはしない。
それは竜族のつがいにとって、特別な……深い愛情表現だから。
でも、ハクちゃんは全く周りを気にしない。
私としてはちょっと……かなり恥ずかしいけれど。
今は、ハクちゃんの好きなようにしてくれてかまわない。
必要な事だって、分かるから……。
セレスティスさんは扉の横に立った。
一緒に座って欲しいとお願いしたけれど、彼は微笑むだけで頷かなかった。
「気にすんな、おちび。ヴェルは蜜月期続行中……普通の竜族なら、雌を他の雄に見せることすら拒む期間なんだ。じじいなりに、人間のおちびに合わせてるんだ……この点じゃ、ヴェルは凄ぇよ」
向かいに座った女神様の言葉に、私は口を噤むしかなかった。
また、失敗してしまった。
穏やかな‘普通の生活’は、ハクちゃんが私の為にいろいろ抑えて……我慢してくれて成り立っている。
ハクちゃんは隣に座った私の左手にしっかりと指を絡め、握っていた。
こうしていないと……私とどこかが触れ合い、繋がっていないと蜜月期の雄の本能に引きずられて他人を傷つけてしまうから。
私は繋がった手の上に、右手も置いた。
「ハクちゃん。ありがとう……」
‘ごめんなさい’じゃない。
ありがとうなの。
感謝でいっぱいだから。
私は貴方に‘ありがとう’って言うの。
「りこ」
「……んっ」
色素の薄い唇が降りてきて、私の唇と重なって……ゆっくりと離れた。
「う……まあ、仕方ねぇな。じじいがそれで大人しくなってくれんだから」
女神様は両手で顔を押さえ……隠していた。
竜族は人前で手や髪にキスすることはあっても、口にはしない。
それは竜族のつがいにとって、特別な……深い愛情表現だから。
でも、ハクちゃんは全く周りを気にしない。
私としてはちょっと……かなり恥ずかしいけれど。
今は、ハクちゃんの好きなようにしてくれてかまわない。
必要な事だって、分かるから……。