四竜帝の大陸【青の大陸編】
「トリィ様。ふふっ……こうして2人きりでお話する機会は、なかなかありませんでしたね。ヴェルヴァイド様ったら、トリィ様にべったりですもの。立ったままで申しわけありませんが、少しだけお話しませんか?」
「はい。カイユ」
見上げた先にある透明感のある美貌には、いつもと違う表情。
「カイユ? どうしたの?」
私を見下ろすカイユさんの顔には、笑顔は無く。
「トリィ様が望まれるのなら、あの者達にお会いするのも仕方ありません。でも、できることなら貴女に人間を近づけたくない。私は人間が嫌いですから」
眼を逸らせないほど冷たく。
「貴女は私の手を微笑んで握り返してくれます。ですが私のこの手は、多くの人間を殺した手なんです」
ぞくりとするほど、冴えた水色の瞳。
「人間共は私を凶悪無慈悲な雌竜と恐れ、嫌悪します。それは私にとって最高の賛美。私は望んで刀を取り、喜びのなかで殺戮を行うのです。私は……カイユはそういう‘生き物‘なのです」
刀を握る手に、私は意識せず力が入った。
握った両手からは肌に吸い付くような感触と、その重さが伝わってきた。
口を開いても、言葉が出てこなかった。
何かを噛むように、顎が数回上下しただけだった。
「はい。カイユ」
見上げた先にある透明感のある美貌には、いつもと違う表情。
「カイユ? どうしたの?」
私を見下ろすカイユさんの顔には、笑顔は無く。
「トリィ様が望まれるのなら、あの者達にお会いするのも仕方ありません。でも、できることなら貴女に人間を近づけたくない。私は人間が嫌いですから」
眼を逸らせないほど冷たく。
「貴女は私の手を微笑んで握り返してくれます。ですが私のこの手は、多くの人間を殺した手なんです」
ぞくりとするほど、冴えた水色の瞳。
「人間共は私を凶悪無慈悲な雌竜と恐れ、嫌悪します。それは私にとって最高の賛美。私は望んで刀を取り、喜びのなかで殺戮を行うのです。私は……カイユはそういう‘生き物‘なのです」
刀を握る手に、私は意識せず力が入った。
握った両手からは肌に吸い付くような感触と、その重さが伝わってきた。
口を開いても、言葉が出てこなかった。
何かを噛むように、顎が数回上下しただけだった。