リーシュコードにて



 そして玲子は、誠を見送って以来、

浅い眠りの合間にくり返し同じ夢を見るようになっていた。



 もしかしてそれは夢というより、急速によみがえってきた記憶というべきなのかもしれない。



 眠る玲子に訪れるのは、決まって14歳の夏の終わりの思い出だ。



 セーラー服時代の玲子と若き日の誠は、

誠のアパートで、伝説のサーフィン映画『エンドレス・サマー』のDVDを観ている。



 そのモノクロの古い画像は、2人のサーファーが世界中の夏と波とを追いかけて旅する姿を、

たった1人のスタッフがドキュメンタリー風に撮影したものだ。



 まだ見ぬ海への好奇心、繰り返される新しい波との出会い、増え続ける黄金の輝きに満ちた夏の思い出、

そしてどこまでも続くサーフボードを抱えた旅立ち……。



 それが熱く伝えるメッセージは、一言で言えば、終わらない夏の、永遠の青春時代の肯定だった。



 画面にエンドマークが現れたとき、玲子の視界は熱くにじんでいた。



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