最後の恋、最高の恋。


消してください、というのは簡単だろう。

でも、お姉ちゃんと私のツーショットだった坂口さんの待ち受けが、私だけの写真に変わるのは正直うれしい。
坂口さんが私とお姉ちゃんを比べる人じゃないと分かってはいても、お姉ちゃんと二人の写真を毎日最低一度は見ているはずで、そのたびに坂口さんはお姉ちゃんも見ているのだ。

そう考えるだけで胸がチクンと痛みを訴えてくるのは、やっぱり私がお姉ちゃんにコンプレックスを感じているのもあるけれど、なにより彼が他の女の人を見るのが嫌だから。


今日恋が始まったばかりだというのに、今からこんなに独占欲が強いなんて、どうかしている。


携帯を見つめたまま止まっていた親指を動かした。


“黒ウサギも送りましょうか?”


なんていう、冗談を返すことで待ち受けにしていいと暗に伝えることにしたんだけど、


“お願いします”


と速攻で返事が返ってきたとき、早まったことをした、とちょっぴり後悔した。


< 108 / 337 >

この作品をシェア

pagetop