最後の恋、最高の恋。
私は藤田さんの隣に座りながら、もちろん笑顔を浮かべたままで先輩が藤田さんにした質問を頭の中で答えていた。
こうやって先輩が藤田さんに出す問題は、私のいい復習問題にもなる。
もちろん私も藤田さんに教えなくちゃいけない立場だし、教えられることは教えているけど私もまだまだ先輩に学ぶことはたくさんある。
それは優しいだけでなくとっても厳しい先輩たちにとっくに教えて貰った業務内容ではなくて、受付という仕事に対しての姿勢だったり心構えだったりそういうことなんだけど。
私もいつか私にとっての先輩のような存在に、なれる日が来るのだろうか。
「三浦さん、今朝の一番初めのお客様を覚えるコツ、あります?」
休憩時間、食堂の特等席、窓際の一番日当たりのいい席を確保できて、お弁当を広げるなり開口一番に藤田さんが聞いてきた。
あの後、結局考えているうちにお客様が受付にたどり着いてしまい、そこで先輩のだした問題の答えはそのお客様本人によって答えられてしまって終わっていた。