最後の恋、最高の恋。
「何ですかそれ! お姉ちゃんは坂口さんが好きなんですよ!? そりゃ私もショックだったけど、すぐに二人を祝福なんてできないけど、必死で受け入れようとしてるのに! あんなに素敵なお姉ちゃんまでその気にさせといて裏切るなんて、どういう神経してるんですか!」
言い募る私の言葉を封じ込めるように、坂口さんは私を力任せに抱きしめて、自分の胸に押し付けるように腕の中に閉じ込めた。
突然の抱擁に、私は余計にムカついてしまう。
なんでこの状況でハグなワケ!?
もう文句すら言えずに、ただ彼の背中をボカスカと殴るしかできない。
「こんな状況でも、春陽を心配できる美月ちゃんだから、俺は好きなんだ」
落とされる甘い言葉も、今は全く信用できなくてむしろ怒りを増長させるものでしかない。
さらに拳に力を入れる私を宥めるかのように、私を包み込む腕にぎゅっと力がこめられる。