最後の恋、最高の恋。
いや待って、こうやって下を向いてちゃとんでもなく失礼じゃない?
ここは自分に自信がなくても学の彼女として認められるようにしっかりと前を向くべきだ。
自分を叱咤して、ぐっと顔を上げれば、すぐ目の前に綺麗な女の人がいた。
目の前っていうか、ほんの少し動いたらキスできちゃうくらいの至近距離。
思わず声を出しそうになって、でもそれを頑張って堪えて今できる精一杯の笑みを浮かべで自己紹介をする。
「は、はじめまして、三浦、美月です。 学さんとお付き合い、させていただいてます」
すんなりとはいかなかったけれど、でも緊張している割にはちゃんとした自己紹介ができた、と内心ほっとしていると目の前の長いまつげに覆われた大きな瞳がにっこりと弧を描いて満面の笑みへと変わった。
「はじめまして、坂口志保です。 学の母です、よろしくね」
言い終わるか終らないかのうちに、苦しいくらいに抱きしめられて、自分の行き場を失った手がピンと硬直する。