最後の恋、最高の恋。
あの柔らかな感触に再び包まれて、何故かドキドキしてしまう。
「美月ちゃん、最高よ! 合格よ! 花丸あげちゃう!! 私の言葉は正しかったと証明されたわ!」
そして言われた言葉に首を傾げた。
何に合格したんだろう?
抱きしめられながら疑問でいっぱいな私に、答えを教えてくれたのはあの学の元カノさんだった。
お母さんに引きずられるようにして再び戻ってきた学の部屋。
そこに三人でソファに座るという異様なスリーショットが実現している。
とりあえず彼女の前に置いてあるカップの中のコーヒーがなくなっていたから、飲んでくれたことにちょっと嬉しさを感じたりしながら現実逃避をしてみたり。
「美月ちゃん、私は茜の友達で原田雪ていうの。 もちろん学の元カノなんかじゃないし結婚してラブラブな旦那がいるから心配しないでね」
にっこり笑顔でさっきまでなかった指輪を左手の指定席に戻しながら彼女……雪さんが教えてくれた事実は妙に納得できるようなことだったけれど、どうしてこんな状況が作り出されたのかが分からない。