最後の恋、最高の恋。
た、確かにそこはブレないところだけれど、そう人から言われてしまうと自意識過剰な痛い感じに思えてしまうのはなぜだろう。
とても恥ずかしくていたたまれない。
「だから言ったでしょう? 美月ちゃんは学にはもったいないくらいいい子だって!」
まるで自分のことのように自慢するお母さんに、やっぱりとっても心が温かくなる。
本当は学に負けないくらい私もヘタレで、コンプレックスも未だにわずかだけれど持っている私は、お母さんの言うように強くなんかないと自分では思うんだけれど、こうやってお母さんに“いい子”だと思って貰えているという事実だけで、強くなれるような気がする。
「うーん、でも学の方はまだヘタレなんじゃない?」
「……そうね、そこははっきりさせとかなくちゃいけないし、美月ちゃんだけ試すっていうのも不公平よね」
雪さんの言葉に、否定するでもなくなんだかよく分からないことを言いだすお母さんに、今度は嫌な予感でいっぱいになる。
……できれば、私を巻き込まないでほしい。
お母さんと雪さんの何かを思いついたような瞳は、学がよくするから何か良くないことをたくらんでいるんだと簡単に予想できる。
だからこそそれは私の知らないところでやってほしいと願ったけれど、今目の前で行われている悪巧みに私が巻き込まれないわけがなかった。