最後の恋、最高の恋。
あのあと何故かお姉さんまで学の部屋に来て、3人のオネエサマたちが集まって立てたとんでもない作戦の大役を仰せつかってしまった。
「……お母さん」
「あら、ダメよ? やらなきゃ」
おずおずと一番助けてくれそうなお母さんに、作戦実行直前になって助けを求めてみるけれど見事に一刀両断される。
次に視線を雪さんに向けてみたけれど、にっこり笑顔で首を横に振られただけで終わる。
……まだ何も言ってないのに。
そして最後に一応お姉さんにも視線を送ってみたけれど、完璧な笑顔を返されてしまって私は諦めの息を一つ吐いた。
3人が立てた作戦は極めてシンプルなんだけれど、私はとっても気乗りがしない。
お母さんとお姉さんの立てた作戦にまんまと引っかかってしまった私だからこそ、あの気持ちは複雑で、分かってはいてもどうにもならない過去への嫉妬と向き合うのは苦しいと身を持って知っている。
だから今から学に電話して“元彼によりを戻そうって言われたの”なんて言いたくない。
言ったら学にも私と同じ気持ちを味あわせてしまうことになる。
そんなことはしたくない。