最後の恋、最高の恋。


身内に暴露されるのが恥ずかしいのだろうか。

でもそれを止めないで逃げるってことは、お姉さんが話していることは本当のことで、そしてそれを隠すつもりもないってことだ。

……ただ、その場で聞いていられるだけの図太い神経は持ち合わせていないらしい。


そんな子供っぽいふてくされ方に、ついぷっと吹き出してしてしまう。



「美月ちゃんは背が小さいから、こういう着ぐるみみたいなパジャマすっごく似合うと思う」


坂口さんが離れたから、てっきりおうちでの坂口さんのことを教えてくれるかと思ったのに、お姉さんはパジャマへと話を戻した。

うーん、ってことはさっきの話題を出したのは坂口さんをからかうためだったのかもしれないな。

坂口さんって、意外とお姉さんに弱いんだ、とまたもや意外な一面を発見してしまった。

小さな発見がたくさんあって、それが嬉しいだなんて。


「それにしても、似合わないメイクしてるわねー」


ずいっと間近に顔を近づけられて、思わずのけ反ってしまうけど、不意打ちで言われた言葉に急所を突かれて思った以上にダメージを受けた。

< 84 / 337 >

この作品をシェア

pagetop