最後の恋、最高の恋。


なんて、優しくて素敵な言葉を言ってくれる人なんだろう。



私なんかを好きになってくれた坂口さん。

そんな私を、私にも好きになってもらいたいと言う坂口さん。


じぃん、と感動している私に聞こえたのは、



「……その前に、アンタに惚れさせるのが先じゃないの?」


という、やっぱり的確なお姉さんのツッコミだった。


お姉さんのそのツッコミで、どんよりしていた雰囲気がその前の明るい雰囲気に切り替わって、うさ耳パジャマをお会計しようとしたとき、後ろからさっき悩んでいたカーキと黒のパジャマを坂口さんがレジのカウンターに置いたから、驚いて振り返る。


「え? 何やってるんですか、坂口さん」


彼の突然の行動が分からないで聞いているのに、私には目もくれずに坂口さんはにっこり笑顔でレジカウンターの向こうにいるお姉さんを見続けている。


私はオロオロと目の前のお姉さんと後ろの坂口さんを、交互に見るしかできない。

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